小学生の頃、友達のカードを盗む奴いたよな
5chのまとめスレ見てたら、昔の思い出が蘇ってきた。
今日はそんなたくやくんの思い出を描いてみようと思う。
たくやくんとの思い出
たくやくんとは家がそこそこ近所で幼稚園〜中学校までが一緒だった。
本当に小さい頃はそんなに仲が良かった記憶がないが、小学2,3年生になった頃から仲良くなった気がする。
その辺りから一緒に遊ぶことも多くなっていた気がする。
近所には他に5-10人くらい友達がいたし、二人で遊ぶと言うよりはみんなで遊ぶことの方が多かったかな
MTGの思い出
僕の小学校ではマジックザギャザリングが流行していた。
多分、コロコロで連載が始まって、自分の3~5くらい上の世代に人気になって、その弟世代である僕らも気が付いていたらだいぶ流行っていた。確か小学高学年の頃かな。
兄がいる家庭はめちゃくちゃ強かったのを覚えている。
どこぞの雑誌から世界で優勝したデッキを覚えて、自分たちで構築して対戦していたりした。
ただ思うのは一番の近所で車で20分のところにしかカードが販売していなかったのにどうして流行ったんだろう。
自転車だと40分以上かかるようなところでしか売ってなく、コンビニでも売っていなかった。
その中でカードのレア度がわからない先輩が、格安で僕たちにカードを売ってくれていたのが謎だった。
例えば、「翻弄する魔道士」「蝕み」あたりを100円とかで売ってくれた。
これ絶対偽物だろと思っていたが、小学生の目にはどう見ても本物にしか見えなくて、
今思えばあれはどこぞで盗んだものなんじゃないかと言う気がしてきた。
単純に飽きて弟たちに売っているのかと思ったけど、あの量・あのレア度のものをそんな格安で売るかね。。。いやなんとも言えんな。
そして事件は起こる
ある日、友達4人でたくやくんの家に泊まりに言った。
MTGで戦ったり、ゲームしたりして遊んだ後、たくやくんは部屋の模様替えをしたいと言ってきた。
みんなでいらないものを捨てて、机の位置を変えて、とめちゃくちゃ面白かったのを覚えている。
ご飯を食べて、みんなで風呂に入って、みんなで布団に入って寝ようとした。
その夜、友達の一人がひどい咳をしはじめた。
最初はおいおい大丈夫かよとふざけていたのだが、どうも様子がおかしく、一晩みんなで寝たものの、みんなあまりよく眠れなかった。
親に連絡すると喘息が発症したようだった。
彼はもともと身体が弱くて、大掃除をして、ホコリを大量吸ったせいで症状が現れたらしい。
どちらの親もすっごく深刻そうな顔をしていたのを覚えていて、朝になると早くお家に帰りなと言うことでさっさと帰るように促された。
自分も荷物をまとめて帰ろうとしたが、自分の1軍デッキ以外のカードが見当たらない。
確か1軍で使っていない不要なレアカードとデッキ二つ分くらいで100枚くらいあったと思う。
親には早く帰るように急かされ、じゃあまた今度探しにくるね、といってその日は帰った。
翌日、学校でたくやくんに「カードはあったかどうか?」と聞いてみても、全然見当たらないと言う。
「いやいや、お前の部屋でしか遊んでないんだから絶対見つかるだろ」と言いあう。
ラチがあかないので、「わかったじゃあ今日お前の家に行くよ」と言っても嫌がる。
この辺でだいぶ嫌な予感がしてくる。
さらに翌日、たくやくんは「時計屋のいとこが自分にカードをくれた」とみんなに自慢し始める。(このワードめちゃくちゃ覚えているな。。。)
さらに後日、友達の家でギャザで遊んでいると、たくやくんは新作のデッキで勝負しようぜと言ってくる。
そのデッキはどうみても、自分が作ったデッキそのものだった。
探索するフェルダグリフと力の化身いう今思えば雑魚カードがあるが、それを軸としたコンボデッキで、戦っていて面白いデッキだった。
その場にも複数の友達がいて、「これトレードしたやつだから覚えてるけど、お前のものじゃないだろ」「カード返してやれよ」という。
たくやくんは「時計屋が」「いとこが」と言って取り合わない。
自分が怒ったのか、友達が怒ったのか、あるいはお前と遊ぶとカード盗られるからやめると誰かが言ったのか忘れたけど、それからたくやくんと遊ぶことはあっても、ギャザを彼とやることはなくなった。
当時の自分はめちゃくちゃ落ち込んでいて、さらに親にも怒られたりして、もうやめるわって言っていた気がする。
友達もそんな自分を見て合わせてくれたのかもしれないし、ギャザに飽きただけかもしれないが、もうやることはなくなっていった。
「クラスでいじめはあるか?」みたいな議論をしていた時に、友達の人が気を利かせて、担任と自分とで話す機会を作ってくれた。当時の担任は「え、100枚も取られたの!?それはちょっと犯罪だなぁ」と言ってて、犯罪という言葉になぜか僕の方が驚いてしまって、お願いだから大ごとにしないでくれと頼んだ気がする。
俺、優しかったんだな。って思ったけど、親になった今だったらフザケンナっておもうw
その辺りからたくやくんからの敵意を向けられることが多くなった。
(今思えば、結局担任は本人に言ったんだろうな。。)
生徒会の選挙だとか、学校の級長の話だったりだとか、事あるごとに難癖をつけられたりした。
そこで自分も言い返したりきちんと話せばよかったけど、当時の自分は最高に性格が悪くて、バカにはわかんないよなーとバカにして、適当にあしらっていた。この辺りからだんだんと疎遠になっていく。
中学生になる
中学になって、再ブームが来た時に、その場にたくやくんの姿はなかった。
みんながギャザの話で盛り上がっていると、「昔、俺が盗んだって噂あったよなw」と絡んできたが、当時を知っている友達は誰も笑っていなかった。
たくやくんはハブられると思いきや、中学校になると、カーストの上位に位置していた(らしい)
自分は中学校そのものに本当に興味がなくて、全然取り合わなかったが、成人式でクラスメートに、たくやめっちゃお前のこと嫌っていたよねwって聞いてめっちゃ笑った。
思えば、あんなに小学校の時は遊んだのに中学生になってから一度も遊んだことないな。
スクールカーストで思い出したが、自分は中2病だったのか、中学校があまりにも閉鎖的だったのか、本当に中学校が嫌いだった。友達はたくさんいたし、遊んだりしたけど、本当の意味で心を許せる友人は誰もいなかった。
こうみんな第二次性徴に伴い、カッコつけ始めるというか、妙に異性を意識し始めるのが本当に気持ち悪くて、「お前それ本当にかっこいいと思ってやってんの?」と何回言ったことか。眉毛全部剃ったり、ワックスで髪の毛立たせるアレね。
中学三年になって部活が終わる頃には、みんなが落ち着いてきて最後の冬とかはめっちゃ面白かった。
考察:なぜたくやくんは盗んだのか
こうして僕とたくやくんはギャザが原因で疎遠になった。
ギャザが原因だったのか、生徒会選挙という名の人気投票で僕に負けたのが嫌だったのか、どっちが先は覚えていない。
ただあんなに遊んだ友達と急に疎遠になって、一方的に敵意を向けられて、個人的には匿ってやったんだぞとも思ったけど、その恩を仇で返された気がしてただただ悲しかった。
僕とたくやくんが喧嘩したっていうよりは、当時のギャザをやっていた大多数から距離を置かれた。
本当の昔は「同じ高校、大学行こうぜ」なんて話をした記憶もあったけど、いつしかたくやくんが全然違う高校に行くと聞いて、じゃあ自分ももっとレベル高い違う高校にしよって思った気がしなくもない。
そう考えると自分が勉強頑張れたのは、たくやくんのおかげかもしれない。
もう20年も経つけど、当時の事件の真相が気になる。
20世紀少年という漫画で、幼少期の謎を解き直していくようなストーリーがあるが、それに近い感情を何度覚えたかわからない。
・本当に盗んだけど、バレたくなかったから嘘をついた
・時計屋のいとこは実在して、遊びに来たら知らないカードがあって、いとこが自分のカードと偽ってたくやくんに渡した
・嘘をついたのはたくやくんではなくて、僕だった
など叙述トリックレベルで水平思考を試してみたけど、どれも結局一番上しかあり得ないなって思った。
だって普通、友人が家に遊びに来てその友人の物が自分の家でなくなったら少なからず責任感じるのに、彼には全くそれが欠落していたんだから。
ちなみにこういう話をする時に、盗みを行う子は大体貧しいという話があるが、たくやくんは間違いなく我が家よりも裕福だった。
ただ上に兄弟がいなくて、ギャザは全然弱かった気がする。
彼はそこそこ勉強できたし、クラスでもお調子者だった、ただ自分よりは間違いなく劣っていたからコンプレックスを与えてしまったのかもしれない。
自分は社会人になって、自分が攻撃的な性格をしている知って、人に嫌な思いをさせてしまうことが何度かあってそれを直そうとしたことがある。
思えばずっと小さい頃から攻撃的な性格をしていて、無意識に人を傷つけて煽っていたのかもしれない
あの時子供だった僕も、今では子供を持つようになって、あと10年もしたら今度は子供が加害者になるかもしれない。
まっすぐ育てることの重要さ、むやみに人の恨みを買わないように育てたい。